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日常だったりネタだったり作品の進捗だったり……色々書きます。不定期に。
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    最近読んだ本の感想と紹介を軽く書いてみる

    こんばんは若槻です。
    昨日からマウスピースを寝る時などにはめるように
    なったのですが(顎の関係で)、違和感ありすぎて
    気持ち悪い←

    そして今日は参議院選挙でしたね。
    果たして結果はどうなるのか……まあ、今の流れだと
    自民党圧勝しちゃいそうですがね。

    でもそれじゃあ自民の一党政治になっちゃうから
    出来ればご遠慮したいところですね。
    自民を下げるつもりはありませんが、どうしても
    一党だけで回してると滞るし癒着やら何やら増えるから。



    さて、それはともかく、本日はこれまでたまりにたまった
    読了作品の感想を述べてみようと思います。

    ここの所休みの日の朝は本を読むようになったので、
    意外にいっぱいです。ええ、全部ファンタジー系だけど←
    他のも読まないとなぁ……。

    ちなみに、最近レジーナコミックスばっかり
    買ってるせいで以下のほとんど転生物ばっかりです。

    自分で転生したいとかはないけど転生物書いてみたいな
    という気持ちはこのおかげで強まりましたね。
    うん、時間が空いたら書こう。


    では、あまりネタバレはしないようにしますが一応隠します。
    ★の数は超個人的なお勧め度。黒星が多いほど高いです。

    ※注意※
    若槻はあまり紹介文がうまくありません。







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    読了作品と感想4

    こんばんは若槻です。調子こいて休憩ほとんどなしに一気に2冊分
    読み進めたら肩だの頭だの痛くなりました。


    というわけで本日は久々に読了報告と感想です。
    ちなみに以前(見事一ヶ月前)に「これは面白い」と言っていたものと
    さくさくと読みきってしまった1冊も合わせたお送りします。

    ネタバレ含みますが分量が分量なので隠しませんから要注意!
    (↓本日のメニュー↓)
    1.詐騎士
    2.リボーン(ノベル)
    3.べるぜバブ(ノベル)
    4.彩雲国物語

    ではスタート。

    ==========================================

    1.詐騎士(さぎし) / アルファポリス /作者:かいとーこ
    本屋で偶然見つけた1冊です。ですが個人的なお勧め度は★★★★☆。
    いや、正直★5つでもなんら遜色はないと思ってますがね! 

    まず外枠だけ話すと「女の子が性別を偽って騎士になった」というものです。
    そして形式は一人称。

    これだけだとよくある単純な恋愛物が思い浮かびますが、全然そんなことないです。
    確かに作中そんな感じを思わせるところもありますし、「最終的にはうまくいけば
    いいのに」と思わず思ってしまうところがないわけではありません。

    が、それ以上に素晴らしいのは主人公の飄々とした性格とさっぱりと
    あくどくかつ爽やかにこずるいという在り方。
    自分をしっかり把握し、(状況が許さないとは言え)女であることに
    甘えを持たない姿勢が凄く好印象です。

    ストーリーも面白いです。続刊があるので今の段階では「深い」とは言えません。
    ですが「早く次を」「これからどうなるの」とわくわくさせる要素は
    十二分に持っていると思います。


    主人公目線ですし主人公からして特別な魔法が使える(珍しいけど他にも使える人はいる)
    という"特別"タイプなので脇役の活躍は少ないほう。よって否応なく主人公のルゼが
    目立ってしまいますが、私的には押し付けがましさは感じません。
    むしろ所々で共感出来るところやすっとする所があると思います。

    というわけで、むしろ読んで欲しいから詳細は省きますが個人的には凄くお勧め。
    特に若槻みたいに"限定感"が好きな人にはとてもお勧めです。
    ※限定感:「男の中で女が」「大人の中で子供が」活躍する、など

     


    2.リボーン 小説第5弾
    本編の補足みたいな感じ、裏話的な、というのが、漫画のノベライズにおける
    楽しみ方だと思ってます。

    買ってからちょいと放置していてこの間なんともなしに開いたら一気に
    読み終わらせてしまいました。読みやすさも魅力のひとつですかね。

    今回は笹川兄と雲雀の過去話とシモンファミリーの決戦前夜のお話が
    お気に入りです。
    「おお」とか思ったり微笑ましかったり。
    原作でも早いところ平和になってあげて欲しいですねー、シモンファミリー。

     

    3.べるぜバブ 小説第1弾
    楽しみ方は上記に同じ、なんですが、こっちの方が原作の好き度が高いせいでしょうか
    リボーンよりは楽しかったです。個人的に。

    原作のテンションがそのまま乗り移ったような文章が素晴らしいと思いました。
    読んでいる最中に漫画の絵がそのまま頭を踊りました。
    ……ただ、明らかにやっちゃ駄目な誤字を見つけたら見事に現実に引き戻されて
    しまいましたがね!

    215ページ後ろから2行目、218ページ前から10行目。

    ベルちゃんにとって父母に等しいのは「男鹿とラミア」じゃなくて「男鹿とヒルダ」で、
    殺し合いを演じてしまったのはやっぱり上の通りでしょう、と。

    …………肝心なところでやっちゃならないミスすんなー!! てか気付け編集!!
    何のための校正だΣΣ((=д=;))!!


    とまぁ、そんなこともありましたが全体的には凄く楽しかったです。
    「原作が好き」の補正もかかってましたが、原作好きには買って損のない一品です。

     

    4.彩雲国物語
    ついに最終巻1です。え? 何で1かって? だって最終巻上下巻なんですもん。
    今月上巻、来月の頭に下巻が出るそうです。いやー、ついに終わってしまいますね。
    何だかどんどんどんどん話が大きくなっていってついにお国全体を揺るがすまでに
    いたりましたよ。

    最初は駄目な王様をどうにかしようっていうただの恋愛もの。
    段々と秀麗ちゃんの優秀さが際立ってきて、かと思うとどんどん深刻な
    国レベルのお話になってきて。

    まあでも、昏君(駄目な王様の意。若槻がはじめて見たのは中学生の頃に読んだ
    封神演義でしたねー。作中にも出てました)が出てきている時点である意味
    当然かなとも思いましたが。

    駄目な指導者をどうにかしようと思うのは今も昔も変わりませんからね。
    まして擁立するに足る王なる器が他にもいるってんじゃ家臣の心も人心も
    揺らぎますって。


    ただ、最初を考えれば随分広がったなと思うほどのこの風呂敷の広げ具合が
    無事に面白いって言うんだから素晴らしいと本気で思います。
    下手に広げすぎるとつまらなくなるというのは漫画・小説の定番ですが、
    このお話は、なんでしょうね、秀麗ちゃんの成長とともに話が進んでいくから
    読者の置いてけぼり感が少ないんでしょうかね(ない、とは言い切れませんが)


    しかしながら、ここまで話が広がっても思うことは変わりませんね。
    頑張って頑張って、頑張り続けて自分で道を切り開いて歩いてきた秀麗ちゃんには
    是非とも幸せになって欲しい。
    なんだか上巻の状況だととても無理な空気ですが、なんとかなって欲しいですね、切実に。

    出来れば女としてよりも官吏として。彼女らしい生き様で。幸せになって欲しいです。
    (もちろんどこかに治まるのもベネですけどね)


    さて、来月の最終巻が待ち遠しい。
    物語の終わりはどうにも切なくなりますが、それでも「どうなるの」を
    止められないのが楽しいところですね。


     追記に拍手返信です。

     

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    読了作品と感想3

    こんばんは若槻です。毎度出かける直前になってごねる挙句に
    結局「行かない」と駄々をこねる某家族に若干どころじゃない
    苛立ちが隠せません。子供か! と……。
    でも言ったら言ったでまた切れるから放置(・ω・)ノノ



    さてそれはさておき久しぶりに読了感想です。
    今日は3冊読みきりました! 充実充実(´∀`*)

    ネタバレになるところも多数なのでご覧になる際にはご注意ください。
    今回は丈さんにお借りした「テンペスト」の3巻、小説版「ぬら孫」の3巻、
    小説版「黎明のアルカナ」の3作になります。


    ====================================
    ~ テンペスト 3巻 ~
    今回は、個人的な印象としては前回よりは疲れませんでした。
    かといって、今巻が前巻ほど波乱万丈ではなかったからかというと、
    それも違います。

    まずネタバレすると、全体的に見ても前回ほどの衝撃はありませんでしたが、
    この巻からこれまで男として生きてきた寧温は元の性別、元の人格である真鶴に戻ります。

    そうなるまでにすかっとする場面も眉をひそめる場面も
    諸々あったのですが、ここでは割愛。

    一度寧温として死んだ彼は運命に生かされ真鶴として復活を遂げました。
    そして、歯車が転がるままに彼女は側室候補として宮城に
    連れて行かれ、なんと側室となってしまいます。

    やっぱり諸々あったのですがこれも割愛します。
    その間に彼女は本気だった恋を散らせました。
    相手に会うために帰ってきたようなものなのに、側室となったからには
    帝(とは言いませんがここでは分かりやすくこう表記します)のために
    生きるのが定めだったのです。

    身を焦がすほどの恋情というものはよく分かりませんが、
    実らない、実らせることの出来ない恋に涙する真鶴は
    本当に可哀想に思いました。


    さて後宮入りとなれば恐ろしいのは女の争い。
    真鶴が寧温だった頃から日常茶飯事のように行われていた
    合戦は世代を変えてなおも続いておりました。
    そして側室という立場上、否応なく巻き込まれる真鶴。

    ですが、正直若槻にはまだ幸せだなと思いました。
    煽り文や紹介文を読んだ時の予想に比べれば全然と言っていいほどです。

    何故かというと、彼女には心許せる友人が出来たから。
    それはもうひとりの側室である真美那さん(琉球では本来側室はひとり)。
    彼女はとってもいいお家柄のお嬢さんで、真鶴に並ぶ才媛でした。

    真に育ちの良いものは作法を心得るもの。
    真美那はそんな娘でした。側室候補の時から真鶴を気遣い、
    側室になってなおその友情を深くしました。

    この出会いは多分真鶴にとってとてもいい出会いだったと思います。
    これまで知恵を武器に男の世界で生きていた時に出来た
    友人たちだって寧温にとっては大切な人たちだったでしょう。

    けれど、これほど悪意なく、純粋な好意だけで友人となれる
    真美那はそれとはまた別の意味で最高の相手だと思います。

    だってですね、これまで真鶴は人で不幸になりすぎでした。
    慕ってくれる人たちはいたけれどいつもそばにいてくれた
    訳ではないし(正確にはいられなかった、ですが)、
    まして女の世界といったら熾烈な場所ではないですか。

    そんな中でひとりきりにならず、むしろフォローしてくれる
    友人が彼女に出来たことがとても嬉しかったです。

    要所要所で真鶴の心をぽんと支えたり、後宮の
    お偉い女性方の口喧嘩にも真っ向から立ち会える
    彼女の存在は物語を読む上で凄く安心させられました。
    ……たまーに苦笑いがにじむ場面もありましたが、この際それも愛嬌。


    そして舞台はぐっと下がって物語後半。
    間には栄華から転落して、這い上がろうとしてまた奈落の淵に
    落とされた可哀想な人の末路も描かれていました。
    1巻、2巻と嫌な人だったけれど、その最期はとても哀れ。
    別に、胸がすく思いはしませんでした。
    むしろ同じ女として心苦しいところの方が多かった気がします。

    で、その最期の時にも関わったのがアメリカの来航。
    いわゆる琉球版ペリー来航ですね。実際彼が来ましたし。

    この時アメリカはあらゆる攻めから琉球を得ようと画策。
    退けようと交渉を重ねますが、王宮にそれをこなせる人材はいません。
    すると、王が言ったのです。「寧温を連れ戻せ」と。

    これには真鶴だって慌てます。だって寧温はすでにここにいるのですから。

    でも国を思う気持ちが誰よりも何よりも強い真鶴は辛い二重生活を
    送ることを選択して、様々な助けを借りつつ寧温に戻りました。
    結果寧温はアメリカを退けることに成功。

    その後アメリカ艦隊が何をしたかは、みなさん歴史の授業で
    習ったとおりです。


    ここまで読んでようやく「あ゛ー」と思い始めたのは、
    寧温と真鶴の二重生活で主人公が疲弊し始めたからです。

    読んでいる側の心情としてはもうはっきり明かしてしまえという
    感じなのですが、残念ながら才気溢れる寧温は嫌われている上に流人。
    恩赦の元王宮に身を置きますが、いつ彼から人を率いる権利が
    奪われるか分かったものじゃありません。

    そしてそれが不愉快。

    ここまで頼っておきながら、才があるから、鼻につくから、
    言う事を聞かないから排除するなんておかしすぎる。
    王に関しては彼の手腕を認め頼っているけれど、年寄りや
    他の大人たちの意固地なこと。
    分からないではないですが、どうしても見苦しい。


    今回もまた波乱の下に一時幕を下ろした物語。
    ああ、続きが気になる。
    でも丈さんはまだ買ってないそうなのでしばらく我慢です。
    4巻だけ自分で買うというのも微妙ですしね。


    ====================================


    ~ 小説版「ぬら孫」3 ~
    これはストーリーというよりは漫画の補足分、といった感じでしょうか。
    もちろん面白かったですよ。
    ただやっぱり、元が漫画だからそう見えちゃうんですよね。

    今回気に入ったのは、原作者さんとは真逆で首無の話でした。
    もちろんプロットが自分だから原作者さんも「気に入っている」とは
    言いづらかったでしょうが、さすがに本人がプロットを書いたものは
    深くなりますね。

    人が妖怪になるまでの経緯に思わず眉を寄せてしまいました。
    愛も友情も、あっさりと、こともなげに踏み潰す敵役の行動には
    不条理と苛立ちを感じたりとか。


    そして個人的には雪女親子のお話が読みたかったりします。
    親の雪女さんが結構好きなので。


    ====================================

    ~ 小説版「黎明のアルカナ」1 ~
    同名少女マンガのノベライズですね。
    主人公・ナカバの辛い半生、って所でしょうか。

    ナカバは一国の姫君でした。正確には、王の孫姫。
    しかし彼女には正式な王族として扱われない理由が
    ありました。

    それは彼女の赤い髪。

    美しく喩えるなら「暁のようだ」と言われるその髪は、
    しかし黒髪が王族の象徴であるこの物語では異端であり、
    蔑むべき色でした。

    その髪のせいでただひたすらに疎まれてきた彼女の心理と、
    同様に、亜人という人と獣の境に生きる他の登場人物たちの
    境遇などが本編同様、もしくはそれ以上に突き刺さってきました。

    作中には蔑むことを生きがいとするような面々も出てきます。
    助けたくても助けられない場面もあります。

    苦しいのに、悲しいのに、辛いのに、それでも助けてと言えない、
    すでに助けを求めることを諦めているナカバたちが凄く
    胸に痛いです。

    それでもナカバはくじけません。腐ってもいません。
    本編も合わせ、強く前を向こうとする彼女がとても好きです。
    これからどんどんどんどん、彼女には幸せになってもらいたいです。


    ====================================

    うーん、オリジナルとノベライズとの間で凄く感想が
    かけ離れてますね自分。っていうか疲れただけでしょうか。
    まあでも、どっちも楽しかったのですよと言い訳←



    ちなみに話は変わりますが「アルカナ」を見ると「クラウンワルツ」を
    思い出したりします。
    まだはじまりだからそんなに出てきてないですが、うちの子達も
    結構色々あるのです。

    早く書けるといいな。
    そこ、というよりそれを乗り越えるあの子たちの姿を見てほしい。

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    読了作品と感想2

    こんばんは若槻です。昨日の夜に読み始めて3~4時間ほとんど
    同じ格好で本を読んでいたので一日肩というか背中というかが
    痛かったです。やっぱり適度に動くのは必要ですね……。

    さて、ということで昨日丈さんにお借りしました「テンペスト」2巻を
    読み終わりました。
    本日はその感想を。
    ※ネタバレ込みなので注意してください。隠しません

    ~ テンペスト-2巻 ~
    まず一言で言うと、「疲れる」です。
    もちろん休憩なしに一気に読みきったのと若槻がそもそも
    物語没頭型な読み手なのも理由にありますが、だからこそ
    いっそうこの内容が疲れてしまいました。

    今巻になって物語はさらに混沌とした様子になっていきました。
    主人公・寧温はばれたらどうしたって問題になる相手にばかり
    素性がばれてしまい、そのたびに窮地に陥っていきます。

    そのたびに命を諦めかけるけれど、それでも寧温は何度も
    立ち上がり、その苦難を乗り越えていきました。
    その様には応援したくなるのはもちろんでしたが
    それ以上にどこか悲しくなってしまいます。
    大事な人のために、どうしても非情にはなれない「彼女」の優しさが
    「彼」にとっての鎖になっているのが哀れでした。

    ちなみにこの巻で女同士の戦いによる後宮争いには
    決着がつきました。

    が、その後さらに苦しい事態が寧温を待ち受けます。
    正直この後に現れる人物――清国の宦官は本っっ気で気持ち悪い。
    読みながら何度「こいつ早く誰かに殺されろ」と思ったことか。
    最終的にはその願い叶いますが、そのせいで寧温は流刑に
    されてしまうことになりました。
    あああもう!死んでもなお鬱陶しいこの男!!


    ちなみにこの流刑に向かう道すがら寧温の人生にかかわってきた
    人々が見送ってくるんですが、ひとりひとりの心にまた涙ぐんで
    しまいました。

    特に、学生(言い方はおかしいですが)時代からの同門の友人である
    年上男性の「相談してくれたら自分が代わりに殺してやったのに。
    それぐらいの恩返しは出来たのに」という言葉がなんだか胸に来ました。
    家族のいる人だから本当にそうなったらやっぱり心が痛かったけど、
    その寧温に対する大きくて優しい心が凄くほっとしてしまったんです。
    敵だらけになってしまった寧温に、最後まで味方として接してくれた人だから。

    もうひとりの寧温にとって凄く近しい人の行動もとても優しかったです。
    どこまでも寧温のことを考えるその言動に何度も泣きかけました。
    この人は本当にネタバレだから割愛。



    とりあえず簡単に1・2巻の問題方向をまとめると、
    1巻・2巻中盤までは王宮物おなじみの後宮問題と官吏の不正や
    才能に対する嫉妬と嫌がらせ。
    2巻後半は、いわゆる「性」の問題ですね。

    男でなくなったはずなのにどこまでも「男」を残した清国の宦官は
    遊郭やら後宮の女性たち、そして寧温にも手を出しました。

    こういう話を読むと毎度思うのは「性」の暴力性です。
    ちょっと重いですけど、事実若槻はそう思っています。
    そもそもその行為自体は種族の繁栄を目的とした大切なことなのでしょう。
    本能に書き込まれたことだし、食事や睡眠に並ぶ基本的な欲望です。
    けれどそこに快楽性があることがどうしても危険を孕んでいるように思えます。

    男と女、雄と雌という形こそ作られていますがその大元は同じように
    心を持ち痛みを知る人間のはずです。ならば普通ならば相手の
    気持ちを慮って然り。
    が、相手の意思に関係なくそこに踏み入れてしまうことも実際
    出来てしまうのです。男女関係なく。

    そしてそれを楽しむ者も実際にこの世にはいます。
    この話に出てくる宦官も正にそれですね。
    相手が嫌がるからこそ楽しむと言う、最悪の思考。最悪の嗜好。
    そんな暴力性が確かにこの行為には宿っているのです。

    この行為が悪とは言いませんが、相手を踏みにじるのは悪です。
    こういうことをする人間は苦しんで死ねばいいのにと本気で
    思っている若槻です(物騒ですみません;)


    ニュースを見たりしても同じように感じますが、久しぶりに本で
    そういう感覚に捕らわれました。

    うーん、やっぱり本はハッピーエンドがいいですね。
    悲劇は心を磨耗させる。
    まだまだ本は続くので、この先に寧温が幸せになってくれることを
    本気で願います。

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    読了作品と感想

    本日2枚目の記事です。

    読書週間ということで読んだ作品とその感想をつらつらと。


    ~ 北原亜稀人さん ~
    サイトマスターでお世話になっている方です。
    兼業小説かさんだそうで色々とお仕事なさってるようですよ。
    昨日今日でサイトの作品はすべて拝見しました。

    第一印象は「嫌世的」。「厭世」までは行かない感じだからこう。
    と言っても、バッドエンドなわけじゃありませんけどね。
    北原さんの作品は大抵主人公がどこか世界に
    諦めている感じがしてとても現実的なんですよ。
    (※若槻の主観です)

    北原さんは若槻とは真逆で書く話が全て現実世界に準じるものでした。
    そして若槻の記憶違いでなければ全て一人称進行。
    そのためか、主人公たちの心情がとてもよく伝わる。

    北原さんの凄いところは、それを淡々とした文章ではっきりと
    伝えてくるところだと思います。
    主人公の境遇や状況、心境を、淡々とした語り口調で、色々な
    表現を使って、分かりやすく伝えてくるところに素直に感心しました。
    (……感心、じゃ偉そうなのかな?)

    最初に読んだのは「コーヒースタンドと切り取られた世界達」。
    コーヒースタンドに働く、どこにでもいそうな普通の、ひとりの女性の物語。
    大体彼女の一生を追っている感じ。
    その中で何があって彼女が何を考えて、っていうのがつらつらと。
    結構読みやすいです。


    一人称タイプの小説っていまやあちらこちらに溢れかえっていますが、
    若槻は最近のラノベの無理やり高くしたようなテンションが苦手です。
    二人称でもそんなものが多くてちょっと食傷気味。
    けど、北原さんの一人称は落ち着いていてそういうのはありませんでした。
    なんでしょう、国語の教科書を思い出すような?

    このまとめ方は見習うべきものだと思うので、技術力を盗むべく頑張ろうかと。
    (Not盗作。たまに勘違いしてる人がいるので一応……)

    =====================================================


    ~ テンペスト-1巻 ~
    結構前に丈さんに借りたのに読み途中のままで放置していた本。
    多分知っている方も多いのではないでしょうか。

    これは琉球のお話で、まだ琉球王国だった頃が舞台ですね。
    主人公の女の子が性別を偽って官吏として働く、っていうのが
    超大まかなあらすじです。
    こんなあっさり文だと「よくある話か」と誤解されそうですが、
    とんでもない。これは良作だと思います。

    文体は歴史小説らしい固い言い回しや琉球特有の言葉などが
    出てくる感じですね。
    ちょっと単調すぎるところもあるけど、キレイな表現や上手い喩えも
    たくさん出てきます。

    残念ポイントを言うなら台詞がいかにも「台詞!」なところ?
    あとは、時々出てくるカタカナがどうにも残念です。
    折角話の中に入り込んでいるのにポンとカタカナが入ってきて
    一気に引き戻させられちゃうんですよね……。


    ですが内容は秀逸。
    ネタバレになるので細かいことは省きますが、主人公寧温(真鶴)は
    幼い頃からとても優秀な女の子でした。
    しかし時代が時代。どこのお国も女は男の下にあり、同等で
    あることなんてとても許されませんでした。

    学びたくても学ぶことを許されない。そんな幼少期の辛い時期が
    過ぎると、今度は男として生きることを選ぶことになり名を
    寧温と改めます。

    物語中盤頃に寧温は科試(中国で言うところの科挙)を通り
    見事琉球初の「宦官」官吏になるのですが、そこに至るまでにもあらゆる
    困難苦難不幸がありました。
    途上泣きそうになったところも……。

    それでもくじけずに前を向き、宮内の多くの年上の敵たちと
    戦っていく寧温。味方は同期と級友(でいいのかな)と××だけ。
    幸いなのは王様が琉球のためを思って働く寧温を現王が
    快く思い支持していることでしょうか。


    ところでこの話、女って怖いってことを再度認識させられます。

    若くして才能を遺憾なく発揮する寧温に先輩官吏たちは
    権力を使ってのいじめや嫌がらせ、その他諸々やってきます。
    でもやっぱり男の仕返しってそういうタイプなんですよ。

    怖いのは、奥にいる女たち。
    1巻だけでも6人くらいの強烈な女性達が登場しています。
    そこに繰り広げられる権力を争う熾烈な女の争いは
    読んでいると背筋が冷えてしまいますね。


    さて、続きはどうなるのでしょう。どうにも気になりますね……。

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